• 代表挨拶
  • 代表取締役社長
  • 武富 和彦

沖縄に思いを寄せる
すべての人の
ファーストメディアに

 沖縄タイムス社の創刊は1948年7月です。

 戦争で壊滅的な被害を受け、人々が生きることに精いっぱいだった時代に、「沖縄再生の根源は新聞の自由にある」との思いを込めてスタートしました。以来、米軍政下で抑圧された日々から日本復帰を経て今日に至るまで、沖縄に軸足を置いた報道・論説、文化の継承・創造活動を続けています。


 戦後沖縄が歩んだ歴史は厳しいものでした。

 米軍支配の下、自らの意思に反して築かれた広大な基地は現在も整理縮小がほとんど進んでいません。米軍基地あるが故に起きる事件・事故は県民を苦しめ続けています。戦争に起因する貧困は負の連鎖から抜けられず、今も暗い影を落としています。不透明感を増す東アジア情勢は悲惨な戦争の記憶を呼び起こし、人々の不安をかき立てます。加えて、新型感染症の世界的流行や気候変動は、沖縄の自然環境や人々の生活にも影響を及ぼしています。


 一方で、沖縄が歩む未来は可能性に満ちあふれています。

 情報化の進展や交通網の発展によって人やモノの交流が加速度的に進み、沖縄の知名度は格段に上がり、魅力度は向上しています。一極集中から多極分散になり、中央と辺境の概念が根本から覆される時代にあって、SDGsの理念がさらに浸透し、国際化やテクノロジーの進化、若い世代が活躍できる環境が整うほど、沖縄の未来は明るさを増します。


 沖縄タイムス社は、沖縄の歴史、文化、風土を大切にしながら、「今」を見つめ「明日」を築く新聞社でありたいと思っています。報道を通して、地域で暮らす人々が心豊かに過ごせるよう共に歩み、行動します。わたしたちを取り巻く環境が激変し、変化への対応が迫られる時代にあっても、この思いは創刊以来、変わっていません。


 フェイクニュースに見られるように、ともすれば不安や断絶にとらわれがちな今だからこそ、わたしたちは希望や多様性に目を向け、人々の信頼の拠り所となるメディアになりたいと考えています。わたしたちは沖縄に思いを寄せるすべての人々から信頼される「ファーストメディア」になりたいと考えています。


 紙でも、デジタルでも。

 沖縄タイムス社は、沖縄に思いを寄せるすべての人のファーストメディアを目指します。

インタビュー

  • Q1.新聞社を志したきっかけは?
  • A1. 高校生の頃からメディア志向ですが、実は第一希望はテレビカメラマンでした。人々の営みや喜怒哀楽に寄り添いながら、「映像で語る」仕事がしたかったんです。
    でも、就職年度に沖縄県内のテレビ局は採用がなく、リハーサルのつもりで気楽に試験を受けて合格していた沖縄タイムス社にそのまま入りました。正直、新聞記者は考えていなかったのでかなり迷いましたが…はまってしまいましたね。
  • Q2.これまでで一番印象深い仕事は?
  • A2. 1987年、沖縄近海で航行中の外国船舶に米軍が模擬弾を落として乗組員が重傷を負った事件があったのですが、那覇港に緊急入港して湾内停泊中の船に早朝、釣り船をチャーターして乗り込みました。朝食中だった乗組員は突然現れた私に驚きながらも船内を案内してくれ、大きく報道しました。英会話力もないのに身振り手振りでの取材です。勢いで行った感じで、後から考えるとかなり無謀ですが、行動すれば何とかなることを実感しました。
  • Q3.これまでで一番大きな失敗は?
  • A3. 随分前ですが、銀行で非常通報ボタンを押したことがあります。ATMトラブルで「係員呼び出し」みたいな表示がでたので、目に入ったボタンを押したら非常ボタンでした。押す寸前にどこかから「あ!!」という声が聞こえ、こっちも一瞬「んっ⁈」と思いながら押してしまった。行員が電話で「今のは間違いです」と叫んでいました。パニック状態の行内で私は呆然です。「やってしまった」と。謝るしかなかったですね。社会人2~3年生の頃で疲れていたんです、たぶん。
  • Q4.自分を3つの言葉で表現すると?
  • A4. せっかち、真っすぐ、意外と器用。何でも早く済ませたく、動画系も若い頃から倍速で見ていました。動きながら考えるタイプです。何でも曲がったことは好きじゃない。公共マナーとかうるさい方だと思います。自分でいうのも変ですが、仕事も運動も何でもほどほどにこなします。ただし、すべて浅い。極めたものは何もない。その辺、後悔がありますね。
  • Q5.泣いた映画は?
  • A5. 泣いた、笑ったを含めて何度も見たのは、映画ではなくテレビアニメの「アルプスの少女ハイジ」。クララが歩いた場面は泣きました。だから、ハイジとクララが本来とは“別人格”で描かれている最近の某テレビCМはちょっと許せない(笑)。
  • Q6.人生最後の食事を選べるとすれば?
  • A6. ピザ、ステーキ、天ぷら、寿司。鰻丼やトンカツもいいですね。最後の晩餐であればテーブルに全部並べます。ガチマヤー(食いしん坊)なんです。とても一つには絞れません。

社是

  • 一、沖縄タイムスは 言論の自由 責任 公正 気品を堅持する
  • 一、沖縄タイムスは 民主主義に則り 文化社会の建設を推進する
  • 一、国際信義に基づき 世界平和の確立に寄与する
  • 一、地域に根ざし 地域とともに成長する

編集綱領

  • 一、報道 論評の自由を堅持すると同時に これに伴う責任を正しく遂行する
  • 一、報道は つねに真実 迅速を旨とし いかなる権力 圧力にも屈せず公正を期す
  • 一、論評は あくまで不偏不党 中正を持し 正しい世論を代表する
  • コンプライアンス

     沖縄タイムス社では2021年4月にコンプライアンス関連の各種規定を定め、毎年9月をコンプライアンス強化月間として、管理職研修や全従業員を対象とした研修を実施しています。研修は沖縄タイムスグループ全8社が対象で、グループ全体で沖縄を代表するメディアで働く者としての責任を常に自覚して行動するよう呼び掛けています。

     沖縄タイムス社が定めているコンプライアンス関連規定は、社員としてよって立つ基本的姿勢を定めた「倫理規定」、社内制度ついて定めた「コンプライアンス規定」、その運用に携わる組織運用についての「コンプライアンス委員会規定」、沖縄タイムス社で働く社員個々人の心構えを説いた「行動規範」、沖縄タイムスの報道に携わる記者の行動を律する「記者の行動基準」などから成ります。

     沖縄タイムス社で働く役員及び全従業員は、日本国憲法をはじめとする各種法令を守り、沖縄県を代表する言論機関としての公共性や責務、社会的使命を常に自覚し、行動していきます。